
主演:松たか子さん、松村北斗君
脚本:坂元裕二さん 監督:塚原あゆ子さん
公開前から気になっていた『1ST KISS』を見てきました。
久しぶりに感想を書きたくなる映画だったのでここに綴ります。
序盤は中々衝撃的な場面から開始、松たか子さん演じるカンナ初回のタイムトラベルを行うまでは展開がかなり早くついていけるのだろうか…と一瞬の不安になりました。笑
しかしそこからの会話劇で不安はしっかり払拭。
松たか子さん、松村北斗君の本人らしさを若干感じさせつつ役に溶け込みそのものとなるような演技力と
塚原あゆ子さん、坂元裕二さんの作り出す自然だが惹き込まれる会話、空気感が絶妙にマッチしていつまでも2人を見ていたいなあと思うほど。
(塚原あゆ子さん監督の『海の中のダイヤモンド』も鉄平と朝子の空気感、リアルで良かった。)
いつまでも見ていたいなあ…という気持ちにさせられたからこそ終着点の定まった終盤の展開はなお泣けるんですよね。
生きていて欲しいと思うカンナの気持ちも、
死が待っているとわかっても愛する人と一緒の未来を受け入れるカケルの気持ちも、共感出来すぎてしまって…
そこからの描写も、前半の2人と対比的に描かれておりそれがまた感動。餃子もカンナが頼んだ着払い→カケルが内緒で頼んで支払い済みというね…
餃子使うのずるい。
いくら愛する人のため死を受け入れ、15年のやり直しを望むと決めても揺らぐことだってあると思うんです。
そこを貫き通すカケルの真っ直ぐさを感じた所で手紙にまた泣かされます。
思い返すと視点こそカンナの目線で進むが、教会での『1ST KISS』からタイトルがとられている事からもこれはカケルの真っ直ぐな愛を描く作品だったんだなあと思います。
結末はハッピーエンドなのかバッドエンドなのか人によって捉え方違うと思いますが、私はハッピーエンドだと感じました。
映画ではここで終わりだが、カンナの人生はまだ続いていく。
そこにカケルから受け取り続けた真っ直ぐな愛があるかどうかでその違いは大きいんじゃないでしょうか。
きっと餃子も美味しく焼けるんだろうなあ…
タイムスリップして過去の夫に会いに行く、という今となってはありふれてしまったようなテーマでも古さや既視感を感じず見られ、終わった後は暖かい気持ちとどこか寂しい気持ちが両立しているような涙が流れてくる。
そんな素敵な映画でした。
ぜひ幅広い年齢層の人に見ていただきたい作品です。
劇場を出た後にこのポスターはずるい…

No responses yet